freee人事労務で有給休暇を管理する方法 5日取得義務への対応も解説

この記事は、企業の人事・労務担当者やこれからfreee人事労務の導入を検討している経営者向けに作成しました。
この記事では、freee人事労務を使って年次有給休暇をどのように設定・付与・管理するかを具体的に解説します。
加えて、近年重要となっている「5日取得義務」への対応方法や、導入前に確認すべき法令・就業規則のポイント、運用上の注意点や効率化のコツまで幅広く紹介します。
この記事を読むことで、freeeでの有給管理が初めての方でも基本的な設定と運用ルールを理解し、実務に落とし込めるようになります。

Table of Contents

freee人事労務で有給休暇は管理できる?

有給休暇管理機能の概要

freee人事労務はクラウド型の人事労務システムで、年次有給休暇の付与・残日数管理・申請承認・帳票出力など有給管理に必要な基本機能を備えています。
具体的には付与ルールの自動反映や従業員ごとの繰越・消滅処理、勤怠データとの連携により残日数の自動計算が可能です。
管理者はダッシュボードで取得状況や使用傾向を確認でき、5日取得義務に対応するためのチェックもしやすく設計されています。

freee人事労務でできること

freee人事労務では、入社日や基準日からの自動付与、期日ごとの一括付与、従業員からの有給申請をワークフローで承認する流れ、残日数の自動計算、繰越管理、失効処理、管理者向けのレポート出力などが可能です。
勤怠システムや給与計算ソフトとの連携により、申請から給与反映までの一連の作業を効率化できます。
また、法改正や制度変更に合わせた設定変更も管理画面で行える点が便利です。

比較項目freee人事労務手動管理(Excel等)
付与の自動化可能、自動付与ルールを設定できる不可、手作業で計算が必要
残日数の自動計算勤怠連携で自動更新入力ミスのリスクあり
申請・承認ワークフロー内蔵されているメールや紙での対応が中心
法改正への対応クラウドで設定変更が容易都度マニュアル更新が必要

導入するメリット

freee人事労務を導入するメリットは、計算ミスや申請漏れの削減、管理工数の大幅な軽減、勤怠や給与との連携による業務の一元化、ダッシュボードでの取得状況の可視化などが挙げられます。
加えてクラウドのため複数拠点やリモート勤務の従業員を一元管理しやすく、法改正時の対応やデータのバックアップも安心です。
これらにより人事担当者は戦略的な業務に時間を割けるようになります。

有給休暇を管理する前に確認すること

年次有給休暇の基本ルール

年次有給休暇は労働基準法に基づき、継続勤務年数や出勤率に応じて付与されます。
一般的には入社6ヶ月経過で最低10日が付与され、以後勤続年数により付与日数が増加します。
付与日数の算定や繰越、消滅のルールは法定の最低基準があり、企業はこれを下回らない運用が義務付けられています。
管理前に自社の付与基準と法定基準を照合しておくことが重要です。

5日取得義務とは

5日取得義務は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、雇用者が年5日の有給を確実に取得させる義務を負う制度です。
これは労働基準法の改正により導入されており、対象者の範囲や取得計画の記録、取得状況の備え付けが求められます。
違反すると行政指導や罰則の対象となる可能性があるため、企業は対象者の把握と取得促進措置を講じる必要があります。

就業規則の内容を確認する

有給休暇の運用は就業規則に明記する必要があるため、付与日、繰越ルール、計算方法、申請手続き、買上げや時季指定のルールなどを就業規則で定めているか確認します。
就業規則と実際の運用に齟齬があるとトラブルの原因となるため、freeeでの設定と就業規則の条項を突き合わせて整合性を確認することが大切です。
さらに労使協定が必要な事項がないかもチェックしましょう。

freee人事労務の事前設定

会社情報を登録する

導入初期にはまず会社情報を正確に登録します。
会社の名称、所在地、事業所ごとの基準日、有給の基準となる会計・年度体系、就業規則に基づく労働条件や労働日カレンダーなどを入力しておくことで、付与日や管理期間の自動算出がスムーズになります。
誤った基礎データは以後の計算ミスにつながるため、労務担当者と経営側で確認してから運用を開始してください。

有給休暇の付与ルールを設定する

freeeでは付与ルールを細かく設定できます。
入社からの経過年数に応じた付与日数、基準日での一括付与、特別付与や時間単位付与の可否、繰越上限、時効期間など自社ルールに合わせて初期設定を行います。
ここで重要なのは就業規則と一致させることと、5日取得義務に対応するための取得計画や管理項目を有効にしておくことです。
設定後はテストデータで付与計算を検証しましょう。

従業員情報を登録する

従業員ごとの入社日、雇用形態、所定労働日数、勤務形態、休職や育児休業の履歴などを正確に登録します。
これらの情報は付与日数や勤続年数の計算、出勤率判定に用いられるため、誤登録があると有給管理に影響します。
個人情報保護に配慮しつつ、従業員本人からの確認や労務管理担当者によるダブルチェック体制を整えると安心です。

有給休暇を付与・管理する方法

有給休暇を自動付与する

freeeの自動付与機能を使えば、入社日や基準日から設定したルールに従って付与処理が自動で行われます。
定期的な一括付与や入社後の自動付与のスケジュールを組むことで、手作業によるミスを防げます。
導入時は過去の付与履歴を取り込み、実際の付与結果を確認してから本運用に移行することをおすすめします。

取得日数・残日数を管理する

従業員の取得日数や残日数はダッシュボードや個別画面でリアルタイムに確認できます。
勤怠データと連携している場合は、欠勤や半休、時間休を自動で反映して残日数が更新されるため、管理者も従業員も最新の残数を把握できます。
定期的に集計レポートを出力し、部門別や職種別の取得状況を把握すると取得促進策が立てやすくなります。

有給休暇申請を承認する

従業員はfreee上で有給申請を行い、管理者はワークフローで承認または差戻しができます。
申請内容は承認履歴として残り、申請日や承認者、コメントなどのトラッキングが可能です。
承認フローは代理承認や多段階承認の設定もでき、申請から給与計算への反映までの業務フローを標準化できます。

5日取得義務へ対応する方法

対象者を確認する

まずは5日取得義務の対象者を抽出する必要があります。
一般的には毎年付与される有給が10日以上の従業員が対象となるため、freee上で付与日数が10日以上の従業員リストを出力して対象者を確定します。
さらに、入社年次や休職歴がある場合は該当年度ごとの付与日数を確認し、対象となるかを正確に判定してください。

取得状況を定期的に確認する

対象者の年ごとの取得日数を定期的に確認し、年度途中でも取得が不足している場合は周知や取得促進の措置を講じます。
freeeのレポート機能で未取得の従業員を抽出し、管理者や上長に通知する運用を作ると管理が楽になります。
記録は法令で求められるため、保存期間や出力形式にも注意してください。

取得漏れを防ぐ運用を行う

取得漏れを防ぐためには、年初に取得計画を立てさせる、上長や人事が月次で確認する、未消化者に対してリマインドを行うなどの運用を組み合わせます。
freeeの通知機能やダッシュボードを活用して対象者にアラートを出すことも有効です。
さらに就業規則に取得計画の提出や管理者による時季指定のルールを明記しておくと実効性が高まります。

有給休暇管理でよくあるトラブル

付与日数の設定ミス

付与日数の設定ミスは導入時や年度更新時に発生しやすい問題です。
基準日を間違える、入社日を誤入力する、繰越ルールが不適切に設定されるなどの事例があり、これらは従業員の権利に関わるため早期発見と修正が必要です。
導入時にはテスト付与を行い、過去データと照合して差異がないかを確認しましょう。

残日数の計算ミス

残日数の計算ミスは勤怠と有給管理の連携不備や、時間単位休暇の扱い、部分休暇の扱いで起きやすいです。
また繰越や失効処理のタイミングを誤ると誤差が生じます。
定期的にランダムチェックや総務・人事による監査を行い、従業員からの問い合わせに迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

5日取得義務への対応漏れ

5日取得義務への対応漏れは法令遵守の観点から重大です。
対象者の抽出漏れ、記録の未保存、取得促進の不備などが原因で発生します。
運用上は毎年のチェックリストを作り、対象者に対して取得状況の報告義務を設けるほか、管理者による年次監査を実施することでリスクを低減できます。
行政からの指導に備えて記録を確実に残すことが必要です。

有給休暇管理を効率化するポイント

勤怠管理と連携する

勤怠管理システムと連携することで、有給の申請情報や欠勤データが自動で反映され、手動での集計作業を削減できます。
勤務時間や出勤率に基づく付与判定も自動化できるため、人的ミスを防ぎ正確な残日数管理が可能になります。
freeeは主要な勤怠システムと連携が可能なので、自社の勤怠フローに合わせた設定を検討してください。

取得アラートを活用する

取得アラートやリマインド機能を活用すると、未取得者へのフォローが自動化され取得率の向上に繋がります。
月次や四半期ごとの未取得レポートを自動生成して上長へ通知する、年末に向けた未消化アラートを送るなどの運用を組み込むことで、計画的な休暇取得を促進できます。
通知内容や頻度は社内文化に合わせて調整しましょう。

法改正へ対応する

労働法令は時折改正されるため、システム設定や就業規則を法改正に合わせて見直す必要があります。
クラウドサービスの利点は、アップデートや新機能で法改正対応が容易になる点です。
人事担当者は法改正情報をチェックし、必要に応じて設定変更や従業員への周知を行い、常に法令遵守の状態を保つことが求められます。

社労士へ依頼するメリット

有給休暇制度を適切に運用できる

社会保険労務士(社労士)に依頼すると、有給休暇の付与ルールや繰越、時効処理などの専門的なアドバイスを受けられます。
特に複雑な雇用形態や育児・介護休業との兼ね合いがある場合、法令に沿った適切な運用設計を行うことでトラブル回避や従業員満足度の向上につながります。
社労士は実務に即した運用ルールの策定も支援します。

就業規則との整合性を確認できる

社労士は就業規則の専門家でもあるため、freeeの設定と就業規則の記載内容が一致しているかをチェックし、必要な改訂案を提示してくれます。
就業規則と実務運用の齟齬は労使紛争の原因になり得るため、定期的なレビューと改訂を依頼することでリスクを低減できます。
社労士は労基署対応の想定問答も準備してくれます。

法令遵守と業務効率化を実現できる

社労士を活用すれば、法令遵守の観点からリスクを最小化しつつ、freeeを含むクラウド労務ツールの最適な運用設計を行ってもらえます。
規程整備とシステム設定の両面から改善提案を受けることで、管理工数の削減と管理精度の向上を同時に図れます。
外部専門家の視点があると社内リソースを効率的に使えます。

社会保険労務士法人あいパートナーズができること

freee人事労務の導入支援

社会保険労務士法人あいパートナーズはfreee人事労務の導入支援を行い、初期設定、従業員情報の移行、付与ルールの設計、運用フロー構築までワンストップで支援します。
導入時の教育やマニュアル作成、初期テスト運用のサポートなどを提供し、スムーズな移行と早期定着を実現します。
企業規模や業態に応じた最適化も得意としています。

有給休暇制度・就業規則の整備支援

あいパートナーズは就業規則や休暇制度の整備支援を行い、法令遵守かつ実務に合った規程の作成をサポートします。
5日取得義務への対応方針や時季指定ルールの導入、計画的付与制度の設計など、企業の実情に合わせた文言で整備することで運用の明確化とトラブル予防を支援します。
必要に応じて労使協定の作成支援も提供可能です。

クラウド労務の運用サポート

導入後の運用サポートとして、日常的な運用相談、法改正時の設定変更、年次監査や定期レポートの作成支援などを提供します。
トラブル発生時の助言や労基署対応の支援も含め、クラウド労務を安心して運用できる体制を整えます。
内部人材だけで対応しきれない業務をアウトソースすることで業務効率が向上します。

まとめ|freee人事労務で有給休暇を適切に管理しよう

freee人事労務は年次有給休暇の付与・残日数管理・申請承認・レポート出力など、実務で必要な機能を備えており、適切に設定すれば5日取得義務を含む法令に対応した運用が可能です。
導入前に就業規則や付与ルールを整備し、従業員データを正確に登録すること、勤怠連携やアラート設定などで運用を効率化することが重要です。
必要に応じて社労士の支援を受けることで、法令遵守と運用負荷の低減を両立できます。

5日取得義務に対応し、法令遵守と労務管理の効率化を実現しよう

5日取得義務への対応は単なるチェック作業ではなく、従業員の健康管理や職場の働き方改革にも直結します。
freeeを活用して対象者の抽出、取得状況の可視化、アラートによるフォローを行い、就業規則とシステム設定を整合させることが重要です。
必要な場合は社会保険労務士法人あいパートナーズのような専門家の支援を得て、確実で持続可能な運用体制を整えましょう。

この記事を書いた人

岩本浩一社会保険労務士・採用定着士
岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員

採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。

特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。

地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。