freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与を比較 どちらを選ぶべき?

この記事は、クラウド給与・労務ソフトの導入を検討している人事担当者や経営者に向けた比較ガイドです。
freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与の基本的な違いから、機能・料金・連携・運用上の注意点までを分かりやすく整理して紹介します。
導入後の業務フローや社労士への相談のメリットも解説するので、自社に最適な選択を判断する材料が得られます。

Table of Contents

freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与の違いとは

それぞれの特徴

freee人事労務は、中小企業やスタートアップ向けに直感的なUIと申請・労務機能の一元化を目指した製品です。
クラウド上での労務手続きや電子申請、給与計算の自動化を重視しており、freee会計などのサービスとの親和性が高い点が特徴です。

  • UIがシンプルで導入が早い
  • 電子申請に対応し労務手続きを簡略化
  • freeeグループ製品との連携がスムーズ

共通する機能

両サービスとも給与計算、賞与計算、従業員マイページ、年末調整サポート、税・保険の計算機能を備えています。
クラウド基盤でデータを一元管理できるため、リモートワーク下でも給与・労務業務を継続可能です。

  • 給与・賞与の計算自動化
  • 従業員のマイページや申請ワークフロー
  • 年末調整や源泉徴収関連のサポート

比較するポイント

導入時は機能の網羅性だけでなく、料金体系、UIの使いやすさ、既存システムとの連携可否、サポート体制、電子申請対応範囲を比較することが重要です。
将来の事業拡大や勤怠運用の変化を見越した選定が失敗を防ぎます。

比較ポイント重要な観点機能の網羅性労務周りをどこまでカバーするか
料金体系ユーザー数やオプションで変動
連携性会計や勤怠との連携可否

freee人事労務の特徴

給与計算から労務管理まで一元化できる

freee人事労務は給与計算だけでなく、労働契約の管理、入退社手続き、勤怠データの取り込みや従業員からの申請管理までを一つの画面で管理できます。
労務管理の業務フローを統合することで人的ミスを減らし、処理時間を短縮する効果が期待できます。

  • 入退社手続きのテンプレート化
  • 各種申請ワークフローの一元管理
  • 勤怠データの自動取り込みや連携

電子申請に対応している

労働保険や社会保険の各種届出をオンラインで申請できる機能が充実しています。
電子申請を活用することで紙書類の削減と申請のスピードアップが可能になり、役所手続きにかかる負担を大幅に軽減できます。

  • 社会保険・雇用保険の電子申請対応
  • 手続きガイドやエラーチェック機能
  • 提出履歴の管理による監査対応

freeeシリーズとの連携が充実している

freee会計や請求書など同社のクラウドサービスとスムーズにデータ連携できます。
会計データとの統合で経理部門との連携が容易になり、給与計算結果をそのまま会計処理に反映できる点が魅力です。

  • 会計ソフトとの自動仕訳連携
  • 請求・経費データとの横断管理
  • 同一アカウントでの統合運用が可能

マネーフォワード クラウド給与の特徴

給与計算を効率化できる

マネーフォワード クラウド給与は給与計算の自動化と計算ロジックの柔軟性が強みです。
複雑な給与体系や手当の設定に対応しつつ、計算結果のチェック機能やエラーチェックが充実しているため精度の高い計算を短時間で行えます。

  • 多様な給与体系の設定に対応
  • 計算ロジックのカスタマイズ性が高い
  • エラーチェック機能で計算精度を担保

マネーフォワード クラウドシリーズとの連携

クラウド会計や経費精算、請求管理などの同社サービスと連携し、給与データを会計処理へスムーズに引き渡せます。
経理・人事・総務のデータ連携が進むことで社内のバックオフィス業務効率化が図れます。

  • 会計への自動仕訳連携
  • 経費や勤怠データとの統合管理
  • ワンストップでのバックオフィス処理が可能

バックオフィス全体を管理しやすい

マネーフォワードは会計から給与までを幅広くカバーするため、バックオフィスを包括的に管理したい中堅企業に適しています。
従業員情報や支払データを一元化することでレポーティングや内部統制の強化が期待できます。

  • データの一元管理で内部統制を強化
  • 分析やレポート生成がしやすい
  • 中堅〜成長企業にマッチする構成

freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与を比較

機能を比較する

両者の機能を機能別に比較すると、freeeは労務手続き・電子申請といった労務側の自動化に強く、マネーフォワードは給与ロジックの柔軟性やバックオフィス統合に強みがあります。
自社の重点領域に合わせた比較が重要です。

機能freee人事労務マネーフォワード クラウド給与
給与計算自動化とシンプル設定が得意複雑な給与体系にも柔軟対応
電子申請対応範囲が広く手続き簡略対応ありだが機能差あり
連携性freeeグループと高い親和性会計含むクラウド群と高い連携性

料金を比較する

料金はユーザー数、オプション機能、電子申請やカスタマーサポートの有無で変動します。
初期費用が低く月額課金で始められる点は共通ですが、従業員数が増えるとランニングコストが上がるため見積もりの精査が必要です。

比較項目freee人事労務マネーフォワード
初期費用基本的に低め基本は低めだがプランにより差分あり
月額費用ユーザー数・機能で変動ユーザー課金とオプションで変動
追加オプション電子申請や社労士連携で加算連携やサポートで加算

操作性を比較する

操作性ではfreeeが直感的なUIで導入のハードルが低いとの評価が多く、マネーフォワードは設定項目が多い分カスタマイズ性が高い反面、設定に慣れが必要です。
どちらが扱いやすいかは現場の担当者や業務フロー次第です。

  • freee:操作が分かりやすく中小企業に向く
  • マネーフォワード:設定は詳細だが柔軟性が高い
  • トレーニングやサポートの有無で導入負荷が変わる

給与計算・労務管理機能を比較

給与計算機能

給与計算の精度や自動化の度合い、手当や控除の設定の柔軟性が重要です。
freeeは標準的な給与体系をスピーディに扱えるのに対し、マネーフォワードは複雑な計算ルールや条件分岐を細かく設定できます。

  • 控除・手当の個別設定
  • 社会保険料・税計算の自動反映
  • 過去データの参照や一括修正機能

勤怠管理機能

勤怠との連携が給与計算の精度を左右します。
勤怠打刻や残業計算、休暇管理がスムーズに連携できるかを確認すると良いです。
どちらも外部勤怠システムとの連携を前提に柔軟性があります。

  • 打刻データの自動取り込み
  • 残業や深夜割増の自動計算
  • 有給・休暇管理との一元化

社会保険・雇用保険の電子申請

電子申請対応の範囲と操作性は重要な差分です。
freeeは電子申請メニューが充実しており、マネーフォワードも対応していますが、実際の申請フローやエラーハンドリングのしやすさに違いが出ます。

  • 申請テンプレートの有無
  • 提出履歴やエラーの確認機能
  • 外部機関への提出サポート

連携できるサービスを比較

会計ソフトとの連携

会計ソフトとの連携により給与支払の仕訳が自動化されます。
freeeは自社会計サービスとの連携がスムーズで、マネーフォワードは同様にクラウド会計との連携強化が図られています。
どちらも経理負担軽減に効果があります。

  • 給与支払の自動仕訳連携
  • 会計データとのリアルタイム同期
  • 経理担当者とのワークフロー連携

勤怠管理システムとの連携

主要な勤怠システムとの連携状況を確認しましょう。
打刻データのフォーマットや勤怠集計のタイミング、欠勤や休暇の反映ルールを事前に検証することが、運用トラブル回避に有効です。

  • 外部勤怠システムとのAPI連携可否
  • データ取り込みの自動化と差分処理
  • 勤怠ルールに合わせた設定の柔軟性

API・外部サービスとの連携

APIを経由した他システムとの連携可否は拡張性に直結します。
両社ともAPI提供や連携パートナーが存在しますが、必要なデータ項目や権限設計、セキュリティ要件を満たせるかを確認することが重要です。

  • 公開APIの有無とエンドポイント
  • SAMLやOAuthなど認証方式の対応
  • データエクスポートやログ監査の実装状況

それぞれがおすすめの企業

freee人事労務がおすすめの企業

freeeは導入のしやすさと電子申請の充実を重視する中小企業やスタートアップに向いています。
人事や総務に専任者が少ない企業でも、直感的なUIで運用を始めやすい点がメリットです。

  • 従業員数が少ない〜中小企業
  • スピード重視で導入したい企業
  • freee会計を既に利用している企業

マネーフォワード クラウド給与がおすすめの企業

マネーフォワードはバックオフィス全体の統合や複雑な給与体系の運用を考える中堅企業に適しています。
会計や経費精算との連携を重視して、将来的に業務統合を進めたい企業に向いています。

  • 中堅企業や複雑な給与体系を持つ企業
  • バックオフィス統合を進めたい企業
  • 詳細なカスタマイズを求める場合

企業規模別の選び方

小〜中規模では導入の容易さとコストを重視してfreeeが選ばれやすく、中規模以上や制度が複雑な場合はマネーフォワードが向くことが多いです。
ただし業務フローや既存システムの状況により最適解は変わるため事前検証が不可欠です。

企業規模推奨小規模(〜50名)freeeの導入がコスト面・運用面で有利
中規模(50〜300名)業務内容次第でマネーフォワードも適正
大規模(300名〜)他システム連携を踏まえた検討が必要

導入する際の注意点

初期設定を正しく行う

初期設定の段階で従業員マスタや給与ルール、勤怠連携の仕様を正確に登録しておくことが重要です。
設定ミスは以降の給与計算に大きな影響を及ぼすため、導入時に必要な項目をチェックリスト化して確認してください。

  • 従業員情報の正確な入力
  • 給与ルールや手当の定義確認
  • 勤怠連携のテスト運用実施

現在のシステムから移行する

既存システムからの移行ではデータフォーマットや履歴の移行、過去年分の計上方法を事前に整理しておく必要があります。
データの欠損や整合性エラーを防ぐために、移行計画とリハーサルを行いましょう。

  • データエクスポート・インポートの形式確認
  • 過去データの移行スコープ設定
  • 移行後の検証プロセスを設計

運用ルールを整備する

システム導入後の運用ルールや権限設計、申請フローを明確にしておくことで運用の混乱を防げます。
担当者ごとの権限や承認ルール、定期的なバックアップやログ確認の運用を決めておきましょう。

  • 権限と承認フローの明確化
  • 運用マニュアルと教育実施
  • 定期的なデータチェックと監査対応

社労士へ相談するメリット

自社に合ったシステムを選定できる

社労士は労務・法令の観点から自社の運用に最適なシステム選定を支援できます。
制度や法改正に基づいた実務的なアドバイスを受けられるため、導入後のトラブルを未然に防げます。

  • 法令対応の観点で最適化提案
  • 業務フローに合わせたシステム選定
  • リスクを見越した運用設計

初期設定やデータ移行を任せられる

社労士に初期設定やデータ移行を依頼すれば、労務上のミスや設定漏れを減らしつつスムーズに移行できます。
専門家のチェックを入れることで給与計算エラーや申請不備の発生リスクを低減できます。

  • 設定チェックや移行支援の代行
  • 移行後の運用指導やチェック体制構築
  • 年末調整など繁忙期の支援

給与計算・労務管理を効率化できる

実務に精通した社労士のノウハウを活用することで、社内ルールの整備や複雑な計算処理の最適化が図れます。
結果的に人事担当者の負担軽減やミス低減、業務効率化に直結します。

  • 業務フローの見直しと最適化提案
  • 法改正対応の継続支援
  • トラブル発生時の対応支援

社会保険労務士法人あいパートナーズができること

freee人事労務の導入支援

当法人はfreee人事労務の導入支援として、初期設定、マスタ整備、電子申請フローの構築をサポートします。
企業の実務に合わせたテンプレートやチェック項目を整備し、導入を短期間で安定稼働させる支援が可能です。

  • 初期設定とマスタ投入支援
  • 電子申請ワークフローの設計支援
  • 導入後の運用フォローと教育

マネーフォワード クラウド給与の導入支援

マネーフォワードの導入時には給与ロジック設定や会計連携の最適化、勤怠連携テストを含めた総合的な支援を行っています。
複雑な手当設定や部門別ルールの実装もサポート可能です。

  • 給与計算ロジックの最適化支援
  • 会計連携・仕訳設計支援
  • 勤怠システムとの接続テスト

クラウド労務システムの運用サポート

導入後の運用においては、運用マニュアル作成、担当者教育、定期的な設定見直しや法改正対応のアップデート支援を提供します。
運用定着まで伴走することで長期的な安定稼働を実現します。

  • 運用マニュアルと定期トレーニング
  • 法改正対応の設定更新支援
  • 定期的な運用レビューと改善提案

まとめ|自社に合ったクラウド給与ソフトを選ぼう

機能・料金・サポート体制を比較して導入することが重要

freee人事労務は導入のしやすさと電子申請の充実が魅力で、マネーフォワード クラウド給与はカスタマイズ性とバックオフィス統合が強みです。
自社の業務優先度、従業員規模、既存システムとの親和性を踏まえた比較と、必要なら社労士による導入支援を活用して最適な選択を行いましょう。

この記事を書いた人

岩本浩一社会保険労務士・採用定着士
岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員

採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。

特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。

地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。