チケットレストランとは?企業と従業員が得する食事補助制度を解説

この記事は、企業の人事担当者や経営者、福利厚生の導入を検討している管理職と、従業員として食事補助の仕組みやメリットを知りたい方を主な対象にしています。
この記事では「チケットレストラン」とは何か、その仕組みや利用可能な店舗、税務上の注意点、導入時のポイントやよくある誤解までをわかりやすく整理して解説しますので、制度の導入可否や運用ルールの設計、従業員への説明資料作成に役立つ実務的な情報を提供します。

チケットレストランとは何か

チケットレストランは、エデンレッドジャパンが提供する食の福利厚生サービスで、従業員のランチ代や軽食代を企業が支援するための仕組みとして利用されており、ICカードやアプリを通じて全国の加盟店で決済できる点が特徴となっています。

企業向けの食事補助福利厚生サービス

企業が従業員に対して食事補助を提供するためのサービスであり、導入に際しては初期費用や固定費が抑えられるプランが用意されていることが多く、導入企業は従業員への福利厚生を充実させつつコスト管理しやすい点が評価されています。

全国の加盟店で利用できる

チケットレストランは全国25万店以上の飲食店やコンビニエンスストア、カフェなどで利用可能であり、社員食堂のない中小企業や外回りの多い職種でも日常的に使いやすいネットワークを持っているため、勤務地や勤務形態を問わず活用しやすい点が大きな利点です。

なぜ注目されているのか

近年の物価上昇や人材確保競争の激化を背景に、手軽に導入できる食事補助は従業員満足度の向上や採用競争力の強化に寄与するため、コスト対効果の高い福利厚生として注目が集まっており、特にランチ代を実質的に軽減できる点が評価されています。

物価上昇で食費負担が増えている

食材価格や外食価格の上昇により従業員の昼食や間食にかかる負担が増える中で、企業が一部を補助することで従業員の生活コストを下げられる点が注目されており、結果的に従業員の家計負担軽減や疲労軽減に繋がるケースが多く見られます。

福利厚生の差別化につながる

福利厚生は採用時の重要な比較材料の一つになっているため、チケットレストランのような使いやすい食事補助を提供することで競合他社との差別化が図れ、特に若手や外回り、シフト制の従業員にとって魅力的な待遇となることで定着率向上や応募者数増加が期待できます。

どのような仕組みなのか

チケットレストランは企業が従業員用にカードやアプリのアカウントを発行し、企業負担分と従業員負担分の管理を行いながら決済を行う仕組みで、非課税枠を活用する場合は税務上の要件を満たす形で運用する必要があります。

企業と従業員が費用を分担する

一般的に企業が一定額を負担し、従業員が自己負担分を支払う形で利用されることが多く、負担割合や支給総額は企業ごとの運用ルールで決められるため、企業は予算や税務要件に応じて柔軟に設定できます。

専用カードで食事代を支払う

利用者にはICカードや専用アプリが配布され、加盟店での支払い時にカードやアプリをタッチすることで決済が完了する仕組みになっており、利用履歴の管理や残高確認がしやすい点、現金を持ち歩く必要がない点が便利さの要因となっています。

利用できる場所はどこか

チケットレストランは加盟店ネットワークを通じて多種多様な店舗で利用でき、全国の飲食チェーンや個人経営 of 飲食店、コンビニエンスストアやカフェなど多彩な利用シーンが想定されるため、日常の昼食や軽食、飲み物購入など幅広く使えます。

コンビニ

コンビニでは弁当やおにぎり、サンドイッチ、飲料、スナック類などの購入に利用可能であり、短時間で食事を済ませたい従業員やオフィス周辺に飲食店が少ない職場で特に利便性が高く、外回りの営業職や時短勤務の人にも使いやすい選択肢となっています。

  • 弁当や惣菜の購入
  • サンドイッチやサラダの購入
  • 飲料やカップ麺などの軽食

飲食店

チェーン店から個人経営の飲食店、カフェまで幅広い飲食店で利用できるため、外食を伴う昼食や休憩時のドリンク購入など従業員のライフスタイルや勤務形態に合わせて活用でき、地域密着の店舗を社食の代わりとして利用することも可能です。

なぜ企業に人気なのか

初期コストが抑えられ導入が容易である点、従業員の利用頻度が高く効果が目に見えやすい点、また税務上の要件を満たせば非課税扱いにできる可能性がある点から、費用対効果を重視する企業で人気が高まっています。

従業員満足度向上につながる

ランチ代や日々の食費の一部を補助することで従業員の家計負担が軽くなり、福利厚生の実感が得られるため、従業員満足度の向上や職場へのロイヤリティ向上に寄与し、結果として生産性や職場環境の改善に好影響を与えることが期待されます。

採用力強化が期待できる

求人応募時に魅力的な福利厚生を提示できれば応募数が増えるだけでなく、同業他社と差別化できるため、特に若年層や福利厚生を重視する求職者に対してアピールポイントとなり、採用活動の効果を高めることが期待できます。

従業員側のメリット

従業員にとっては直接的な食費負担の軽減や利用の利便性、利用可能店舗の多さから日常生活で恩恵を受けやすい点が魅力であり、現物支給に頼らない柔軟な使い方ができるため個々のニーズ応じた活用が可能です。

実質的な食費補助になる

企業が一部を負担することで実質的にランチ代が割安になり、毎日の昼食費の負担が目に見えて下がることから、長期的に見れば家計支出の軽減につながり、従業員の生活満足度向上に直結する利点があります。

日常的に利用しやすい

ICカードやアプリで簡単に支払えるため、利用手続きが簡便で日常的に使いやすく、出先でもコンビニやチェーン店で素早く食事が買えるためテレワークや外回りが多い業務形態でも活用しやすいという実利的なメリットがあります。

税務上の取扱いはどうなるのか

税務上の取扱いは重要であり、一定の条件を満たすことで課税対象外(非課税)となる場合がありますが、条件を満たさない場合は給与とみなされ課税される可能性があるため、導入前に税務面の確認と運用設計が欠かせません。

一定要件を満たせば非課税となる

税務上は従業員に対する食事補助が非課税となるためには、会社負担と従業員負担の組み合わせや支給方法が所得税法の定める厳格な要件を満たしている必要があり、具体的な非課税範囲や計算方法については事前に確認して正しく運用することが重要です。

食事補助ルールの確認が必要

非課税とするためには、支給の目的や形態、負担割合、使用用途の管理など運用ルールが最新の税法要件に合致していることを確認する必要があり、運用開始後もルールが守られているか定期的にチェックすることが求められます。

非課税となる主な条件

非課税扱いを受けるための条件は複数あり、一般的には従業員が一定額を負担することや会社負担に上限を設けること、支給の目的が明確であることなどが挙げられ、これらを満たすように制度設計を行う必要があります。

従業員が一定額を負担する

税法上の絶対的な非課税要件(所得税基本通達36-24)として、従業員自身が「食事価額の半分(50%)以上」の自己負担を負うことが求められており、このバランスが崩れて企業の負担割合が大きくなると福利厚生費として認められなくなります。

会社負担額に上限がある

会社が負担する金額については、2026年の法改正により「月額7,500円(税別)」という明確な非課税上限枠が設けられており、この上限額または自己負担率50%以上の要件を1円でも超えた場合は、超過分だけでなく補助支給額の「全額」が給与課税(源泉徴収対象)となるため注意が必要です。

他の福利厚生との違い

チケットレストランは利用頻度の高さと日常の消費に直結する点で他の福利厚生と異なり、従業員全員が比較的均等に恩恵を受けやすいという特徴があるため、食事補助を重視する企業にとっては効率的な福利厚生施策となります。

利用頻度が高い

食事は日々発生する支出であるため、支給された補助が頻繁に使われやすく従業員の実感が得られやすいという点で、利用頻度が高く効果が見えやすい違いがあります。

従業員全員が恩恵を受けやすい

職種や勤務形態にかかわらず昼食が必要な従業員が多いため、特定の層だけでなく従業員全体に恩恵が広がりやすく、福利厚生の公平性を高めたい企業に適している点が他制度との大きな相違点です。

項目チケットレストラン社員食堂食事手当(現金)
導入コスト初期負担が少ない場合が多い設備と運営コストが高い即時費用だが運用は簡単
利用頻度高い(毎日利用されやすい)高いが場所限定個人の裁量で変動
税務上月額7,500円かつ従業員50%以上負担で非課税会社負担が月7,500円以下かつ半額以上負担で非課税原則として全額が給与課税対象となる
従業員の利便性全国の加盟店やコンビニで使えるため極めて高い社内で完結する利便性は高いが社外では使えない自由度は高いが非課税にするための証憑管理が困難

導入時の注意点

導入に際しては運用ルールの整備、税務要件の確認、社内周知の仕方、利用状況のモニタリングなどを事前に計画し、想定される利用ケースや費用負担のシナリオを整理した上で運用開始することが重要です。

運用ルールを決める

誰がどのようにカードやアプリを配布するか、使用可能な時間帯や対象費目、従業員負担の設定、紛失時の対応など運用上のルールを明確にして書面化し、全従業員に周知することがトラブル防止のために重要です。

税務要件を確認する

非課税要件を満たすための会社負担上限額(月額7,500円)や、労働基準法・社会保険上の現物給与の取り扱い規程をふまえ、自社の給与規程や福利厚生規程と整合性が取れた安全な運用設計を行うことが必要です。

企業がやりがちな失敗

制度導入で陥りやすい失敗として、税務要件の確認不足や運用ルールの曖昧さ、従業員への説明不足による誤解や不公平感の発生などがあり、これらは事前準備と継続的な運用改善で回避可能です。

非課税要件を確認しない

最も重大な失敗は、法改正後の上限枠(月額7,500円)や50%の自己負担率といった税務上の強制ルールを確認せずに導入し、後から要件から外れて給与課税と判断されるケースであり、結果的に会社への追徴課税や従業員への社会保険料の追加遡及負担が発生するリスクがあります。

制度説明が不足する

従業員への説明が不十分だと利用方法や対象範囲に関する誤解が生じ、トラブルや不満の原因となるため、利用開始前にQ&Aや利用ガイドを用意して丁寧に周知し、運用開始後も問い合わせ窓口を明確にしておくことが大切です。

よくある誤解

チケットレストランに関する誤解として、会社負担分は無条件で非課税であるとか、利用先が飲食店に限定されるといったものがあり、いずれも運用や税務のルール次第で変わるため正確な理解が必要です。

会社負担分は全て非課税である

よくある誤解として、会社が負担すれば自動的に非課税になると考えられますが、実際には「従業員の50%以上の自己負担」と「会社負担が月額7,500円以下」という2つの条件を同時に満たす必要があり、満たさない場合は補助額の全額が課税対象となります。

飲食店でしか利用できない

チケットレストランは多くの飲食店で利用できますが、コンビニや一部の小売店で使用可能なケースもあり、加盟店の範囲は広いため事前に加盟店リストやアプリで確認することが望ましく、使える場所は随時拡充されることがあります。

まとめ|食事補助を通じて満足度向上を目指せる制度

チケットレストランは企業と従業員双方にとって実利のある食事補助サービスであり、導入の容易さと利用の手軽さ、税務上の条件を満たした運用ができればコスト対効果の高い福利厚生施策となるため、導入を検討する価値が高い制度です。

福利厚生強化につながる

日常的に使える食事補助は従業員の満足度向上や採用競争力の強化に直結するため、福利厚生を強化したい企業にとって有効な選択肢となり得ます。

税務ルールの理解も重要になる

ただし非課税扱いにするための税務ルールは重要であり、最新の法的な上限額(月額7,500円)や自己負担の割合ルールを導入前にしっかり確認し運用設計を行うことで、トラブルを避けながら利便性とコスト効果を両立させることが可能です。

動画で解説

この記事を書いた人

岩本浩一社会保険労務士・採用定着士
岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員

採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。

特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。

地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。