この記事は、パートタイムで働く方々やその雇用主に向けて、パートの健康診断に関する義務範囲について詳しく解説します。 特に、法定健診の対象となる基準や、4分の3基準についての理解を深めることを目的としています。 健康診断は、労働者の健康を守るために重要な制度ですが、すべてのパートが対象となるわけではありません。 この記事を通じて、パートの健康診断に関する正しい知識を得て、適切な対応を考えていきましょう。
パートの健康診断は全員義務ではないのか
パートタイム労働者の健康診断については、全員が義務として受けるわけではありません。 法律上、健康診断の義務は「常時使用する労働者」に限定されています。 つまり、パートタイムで働く方々の中でも、特定の条件を満たす場合にのみ、健康診断が義務付けられます。 これにより、雇用主は必要な健康管理を行うことが求められますが、すべてのパートが対象となるわけではないため、注意が必要です。
法定健診の対象は「常時使用する労働者」
法定健康診断の対象となるのは、常時使用される労働者です。 これは、雇用契約が無期であるか、または1年以上の継続雇用が見込まれる場合に該当します。 パートタイム労働者がこの条件を満たす場合、健康診断を受ける義務があります。 したがって、雇用主は、パートタイム労働者の雇用形態や労働時間を考慮し、適切な健康管理を行う必要があります。
厚生労働省資料では4分の3基準が判断材料とされている
厚生労働省の資料によると、パートタイム労働者の健康診断の義務範囲を判断する際に「4分の3基準」が重要な指標とされています。 この基準は、正社員の所定労働時間の4分の3以上働くパートタイム労働者が、法定健康診断の対象となることを示しています。 この基準を理解することで、雇用主は健康診断の必要性を正しく判断できるようになります。
健康診断が義務となるパートの基準
健康診断が義務となるパートタイム労働者には、いくつかの基準があります。 これらの基準を満たすことで、法的に健康診断を受ける義務が生じます。 具体的には、無期契約または1年以上の継続雇用が見込まれること、そして所定労働時間が正社員の4分の3以上であることが求められます。 これらの条件をクリアすることで、パートタイム労働者も健康診断の対象となります。
無期契約または1年以上の継続雇用が見込まれる
健康診断が義務となるためには、無期契約であるか、または1年以上の継続雇用が見込まれる必要があります。 これは、雇用の安定性を考慮したものであり、短期的な雇用契約では健康診断の義務が発生しないことを意味します。 雇用主は、パートタイム労働者の雇用形態を確認し、必要に応じて健康診断を実施することが求められます。
所定労働時間が正社員の4分の3以上
もう一つの基準は、所定労働時間が正社員の4分の3以上であることです。 この基準を満たすことで、パートタイム労働者も健康診断の対象となります。 具体的には、正社員が週40時間働く場合、パートタイム労働者は週30時間以上働く必要があります。 この条件をクリアすることで、法的に健康診断を受ける義務が生じます。
この2つを満たすと法的義務の対象となる
無期契約または1年以上の継続雇用が見込まれること、そして所定労働時間が正社員の4分の3以上であること、この2つの条件を満たすことで、パートタイム労働者は法的に健康診断の対象となります。 これにより、雇用主は健康管理を適切に行うことが求められ、労働者の健康を守るための重要なステップとなります。
4分の3未満のパートの扱い
所定労働時間が正社員の4分の3未満のパートタイム労働者については、法令上の明確な義務対象には含まれません。 しかし、健康管理の観点からは、雇用主が自主的に健康診断を実施することが望ましいとされています。 これにより、労働者の健康を守るための取り組みが促進されます。
法令上の明確な義務対象には含まれない
4分の3未満のパートタイム労働者は、法令上の明確な義務対象には含まれません。 つまり、健康診断を受ける義務はないため、雇用主はこの点を理解し、適切な対応を考える必要があります。 ただし、健康管理の重要性を考慮し、任意での健診を実施することが推奨されます。
厚労省は「実施することが望ましい」と示している
厚生労働省は、4分の3未満のパートタイム労働者に対しても、健康診断を実施することが望ましいと示しています。 これは、労働者の健康を守るための重要な取り組みであり、雇用主はこの点を考慮して、必要に応じて健康診断を行うことが求められます。
2分の1以上4分の3未満は努力義務に近い位置付け
所定労働時間が2分の1以上4分の3未満のパートタイム労働者については、努力義務に近い位置付けとなります。 これは、法的な義務ではないものの、健康管理の観点からは、雇用主が自主的に健康診断を実施することが推奨されることを意味します。 労働者の健康を守るために、雇用主はこの点を考慮する必要があります。
4分の3未満でも健診が必要となるケース
4分の3未満のパートタイム労働者でも、特定の条件下では健康診断が必要となる場合があります。 これには、深夜業や特殊な業務に従事する場合、または会社が安全配慮義務の観点から必要と判断した場合が含まれます。 これらのケースでは、健康診断を実施することで、労働者の健康を守るための重要な手段となります。
深夜業など特定業務に従事する場合
深夜業に従事するパートタイム労働者は、健康診断を受ける必要がある場合があります。 深夜勤務は、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、健康状態を把握することが重要です。 雇用主は、深夜業に従事する労働者に対して、健康診断を実施することが推奨されます。
特殊健診が必要となる作業に従事する場合
特殊な作業に従事するパートタイム労働者についても、健康診断が必要となることがあります。 例えば、有害物質を扱う業務や、高所作業など、特定のリスクが伴う業務に従事する場合、健康状態を定期的にチェックすることが求められます。 これにより、労働者の健康を守るための適切な対策が講じられます。
安全配慮義務の観点から会社が必要と判断する場合
雇用主は、安全配慮義務の観点から、4分の3未満のパートタイム労働者に対しても健康診断を実施することが求められる場合があります。 特に、労働環境が危険な場合や、労働者の健康に影響を及ぼす可能性がある場合、健康診断を行うことで、リスクを軽減することができます。
健診費用の扱い
健康診断の費用については、義務対象者の場合、原則として会社が負担することが求められます。 これは、労働者の健康を守るための重要な取り組みであり、雇用主はこの点を理解し、適切な対応を行う必要があります。 また、任意で実施する健康診断についても、会社が費用を負担することが一般的です。
義務対象者の法定健診は会社負担が原則
法定健康診断の対象となるパートタイム労働者については、健康診断の費用は原則として会社が負担します。 これは、労働者の健康を守るための法的な義務であり、雇用主はこの点を遵守する必要があります。 健康診断を受けることで、労働者の健康状態を把握し、適切な対策を講じることが求められます。
任意実施分も会社負担が一般的でトラブル防止に有効
任意で実施する健康診断についても、会社が費用を負担することが一般的です。 これにより、労働者が安心して健康診断を受けることができ、トラブルを防ぐことができます。 雇用主は、任意実施分の費用負担について明確なルールを設けることで、労働者との信頼関係を築くことが重要です。
4分の3未満パートの健診運用のポイント
4分の3未満のパートタイム労働者に対する健康診断の運用については、いくつかのポイントがあります。 これには、就業規則に健診対象範囲を明記すること、任意実施分の費用負担ルールを明確化すること、そして健康管理の必要性が高い業務に対しては積極的に受診を促すことが含まれます。 これらのポイントを押さえることで、労働者の健康を守るための効果的な運用が可能となります。
就業規則に「健診対象範囲」を明記する
就業規則には、健康診断の対象範囲を明記することが重要です。 これにより、労働者は自分が健康診断の対象であるかどうかを明確に理解することができます。 また、雇用主も、健康診断の実施に関するルールを明確にすることで、トラブルを防ぐことができます。
任意実施分の費用負担ルールを明確化する
任意で実施する健康診断については、費用負担のルールを明確化することが重要です。 これにより、労働者は安心して健康診断を受けることができ、雇用主との信頼関係を築くことができます。 費用負担についてのルールを明確にすることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
健康管理の必要性が高い業務は積極的に受診させる
健康管理の必要性が高い業務に従事するパートタイム労働者については、積極的に健康診断を受診させることが求められます。 特に、リスクの高い業務に従事する場合、健康状態を把握することが重要です。 雇用主は、労働者の健康を守るために、必要な対策を講じることが求められます。
結論:4分の3未満は義務ではないが実施推奨
4分の3未満のパートタイム労働者については、法的な義務はありませんが、健康診断の実施が推奨されています。 厚生労働省の資料でも「望ましい」と明示されており、労働者の健康を守るための重要な取り組みとされています。 雇用主は、この点を理解し、適切な対応を行うことが求められます。
厚労省資料も「望ましい」と明示している
厚生労働省の資料では、4分の3未満のパートタイム労働者に対しても健康診断を実施することが望ましいとされています。 これは、労働者の健康を守るための重要な取り組みであり、雇用主はこの点を考慮して、必要に応じて健康診断を行うことが求められます。
健診実施は安全配慮義務・リスク管理に直結する
健康診断の実施は、安全配慮義務やリスク管理に直結します。 労働者の健康状態を把握することで、適切な対策を講じることが可能となり、労働環境の安全性を高めることができます。 雇用主は、健康診断を通じて労働者の健康を守るための責任を果たすことが求められます。
この記事を書いた人
- 社会保険労務士・採用定着士
- 岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員
採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。
特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。
地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。
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