freee人事労務とマイナンバー管理のポイント

この記事は人事担当者や総務担当者、社労士へ相談を検討している経営者を対象に、クラウド人事労務ソフト『freee人事労務』を用いたマイナンバー管理のポイントをわかりやすく解説します。
導入前に確認すべき法令や安全管理措置、初期設定や従業員からの収集方法、電子申請や年末調整との連携方法、よくあるトラブルとその対策まで網羅的に説明しますので、実務での導入判断や運用設計の参考にしてください。

Table of Contents

freee人事労務でマイナンバーは管理できる?

マイナンバー管理機能の概要

freee人事労務では従業員のマイナンバーを安全に登録・保管しつつ、必要な手続きへ連携するための機能を備えています。
具体的にはマイナンバー専用の暗号化保管、アクセスログの記録、閲覧権限の細分化、電子申請データとの連携などが用意されており、クラウド上での一元管理が可能です。
これにより紙運用に比べて検索や提出の手間を削減できます。

freee人事労務でできること

freee人事労務はマイナンバーの収集から保管、本人確認情報の紐付け、社会保険や雇用保険の手続き連携、年末調整データの反映まで一貫管理できます。
さらにアクセス権限の設定による閲覧制御や監査ログの出力、データの暗号化保存など、法令で求められる安全管理措置に対応するための機能群が整備されています。
これにより業務効率とコンプライアンスの両立が見込めます。

導入するメリット

freee人事労務を導入するとマイナンバー管理の手間が大幅に軽減され、紙台帳や個別ファイル管理に伴う紛失リスクを低減できます。
クラウドでの一元管理により従業員情報とマイナンバーの紐付けが容易になり、電子申請の手続きもスムーズになります。
加えてログ管理やアクセス制御で監査対応がしやすくなり、法令遵守の観点でもメリットがあります。

比較項目従来の紙管理freee人事労務
安全性保管場所依存で紛失リスクあり暗号化とアクセス制御で安全性向上
作業効率手動入力や郵送対応が必要電子申請連携で作業削減
監査対応履歴管理が困難ログ出力で説明可能

マイナンバーを管理する前に確認すること

マイナンバー法の基本ルール

マイナンバー法では収集の目的を明確にし、必要最小限の利用に留めること、適切な安全管理措置を講じること、目的外利用の禁止、第三者提供の厳格な制限などが求められています。
特に事業者は収集時に利用目的を通知または公表し、法令で定められた期間を超えて保存しないことが基本です。
違反すると罰則や行政指導の対象になり得ます。

利用目的を明確にする

マイナンバーの収集前に、どの手続きで使用するのかを明確に文書化しておく必要があります。
例えば社会保険・雇用保険手続き、源泉徴収票作成、年末調整など具体的な利用目的を限定することで無用な収集や目的外利用を防げます。
利用目的は就業規則やプライバシーポリシー、社内マニュアルに反映して従業員へ周知してください。

安全管理措置を確認する

マイナンバーの取り扱いには管理者の指定、アクセス制御、保管・廃棄ルール、通信路の暗号化、従業員教育、監査ログの保存など複数の安全管理措置が必要です。
クラウドサービスを利用する場合は事業者側の外部委託先管理やデータセンターのセキュリティも確認し、委託契約や安全管理の合意を文書化しておきましょう。

freee人事労務の初期設定

会社情報を登録する

導入時はまず会社の基本情報を正確に登録してください。
法人番号、事業所住所、代表者情報や問い合わせ担当の連絡先などを設定することで、電子申請時に必要な情報が自動で反映されます。
誤った情報が登録されていると申請不備や届出の失敗につながるため、登録後に必ず確認を行い、変更があれば速やかに更新する運用を整備しましょう。

アクセス権限を設定する

マイナンバーにアクセスできる担当者を最小限に限定するため、管理者アカウントと一般閲覧者の権限を分けて設定してください。
部署や役職に応じたロールを定義し、必要な人だけが該当情報を閲覧・編集できるようにします。
定期的な権限レビューを実施し、異動や退職時に権限削除を徹底する運用が重要です。

従業員情報を登録する

従業員情報は氏名、生年月日、住所、雇用形態、雇用開始日など基本情報を正確に入力します。
マイナンバーを紐付ける際の照合用データとしても利用されるため、旧姓や外国人氏名なども含めて誤りがないように注意してください。
初期登録時のデータ品質がその後の手続きの正確性を左右しますので、確認フローを設けることを推奨します。

マイナンバーを収集・登録する方法

従業員から提出してもらう

マイナンバーの提出は対面での確認や、専用アップロードフォームの利用、郵送を組み合わせて行えます。
提出方法を複数用意する場合でも、本人確認と提出記録を残すことが必要です。
従業員に対しては提出方法と提出期限、取り扱い方針を事前に通知し、疑問や不安に対して窓口を設けるとスムーズです。

  • 対面での提出と本人確認書類の提示
  • クラウドアップロードフォーム経由での提出
  • 郵送での通知・受取(記録を残す)

本人確認を行う

マイナンバー収集時には番号確認だけでなく本人確認も同時に行う必要があります。
運転免許証やマイナンバーカード、旅券などの公的証明書で氏名と生年月日、顔写真などを確認し、その記録を保存します。
クラウドの場合は画像アップロードで証憑を紐付け、確認者や確認日時をログとして残す運用が求められます。

システムへ登録する

収集したマイナンバーはfreee人事労務の専用項目に登録し、必ず暗号化保管される設定を確認してください。
登録時には誰が登録したか、いつ登録したかの履歴を残すとともに、誤入力を防ぐためのダブルチェック手順を定めます。
外部からの持ち出し防止や複製制限も考慮した運用ルールを設けましょう。

マイナンバーを安全に管理するポイント

閲覧権限を制限する

マイナンバーの閲覧権限は業務上必須の担当者に限定し、権限付与の理由や期間を明確に記録します。
freeeではロールごとに閲覧・編集権限を設定できますので、最低権限の原則に従って運用してください。
定期的な権限見直しを実施し、不要な権限が付与されたままにならないよう注意が必要です。

情報漏えい対策を行う

情報漏えい対策としては通信の暗号化、端末の多要素認証、アクセスログの監視、不正アクセス検知の導入、従業員へのセキュリティ教育が有効です。
クラウドサービスの利用時はサービス側のセキュリティ認証や運用実績も確認し、必要であれば個別契約でセキュリティ要件を明確にしておくと安心です。

保存・廃棄ルールを整備する

保存期間や廃棄方法を明文化し、保存期間終了後は速やかに安全に廃棄するプロセスを定めてください。
電子データの削除手順やバックアップからの抹消、紙媒体の焼却や溶解など物理的廃棄方法も規定し、廃棄時には記録を残す運用が必要です。
保存期間を超えた保有は法令違反につながる可能性があります。

社会保険・雇用保険手続きとの連携

電子申請へ活用する

freeeはe-Gov等の電子申請と連携できるため、マイナンバーをシステム上で管理しておけば各種届出や申請書類の作成が迅速化します。
電子申請により郵送や窓口対応の手間が減り、申請ミスの低減や処理スピード向上が期待できます。
導入時は電子申請用の事前準備やアカウント紐付けを忘れずに行いましょう。

年末調整へ反映する

年末調整時には従業員のマイナンバーを基に源泉徴収票等の作成や提出が必要です。
freeeに登録したデータを年末調整機能と連携させることで、マイナンバー入力の二重作業を防ぎ、帳票作成も自動化できます。
年末の繁忙期に備えて事前にデータ整備と確認フローを設定しておくことが重要です。

入社・退社手続きへ活用する

入社時にマイナンバーを適切に収集・登録しておけば社会保険や雇用保険の加入手続きがスムーズになります。
退職時には保険資格喪失の手続きと同時にマイナンバーの保管期限や廃棄ルールに従ってデータを整理します。
入退社フローにマイナンバー管理のチェックポイントを組み込むことで抜け漏れを減らせます。

マイナンバー管理でよくあるトラブル

本人確認の漏れ

本人確認を怠ると他人のマイナンバーを誤って登録してしまうリスクが生じます。
提出された書類の確認プロセスが不十分だと誤登録やなりすましの原因になるため、必ず原本確認または信頼できる電子本人確認サービスを利用して検証し、検証履歴を保存する運用にしてください。

アクセス権限の設定ミス

権限設定が緩いと本来閲覧不要な部署や退職者がアクセスできる状態になり得ます。
ロール設計を曖昧にしたまま運用すると情報漏えいの温床になりますので、誰が何の目的でアクセスできるかを明確に定義し、定期的に権限レビューを行って不要な権限を削除する仕組みを導入してください。

保存・廃棄ルールの不備

保存期間を超えたデータの保持や廃棄記録の欠如は法令違反のリスクを高めます。
電子データのバックアップやログには残るが実際の運用で廃棄されていないケースもあるため、保存期間管理と自動削除ルールの整備、廃棄証跡の保存を徹底することが重要です。

社労士へ依頼するメリット

法令に沿った運用ができる

社労士に相談するとマイナンバー法や関連する労働・社会保険の法令に沿った運用設計を受けられます。
最新の法改正への対応や、就業規則や個人情報保護方針への落とし込みなど専門的視点で整備してもらえるため、社内だけで判断するよりもリスクを低減できます。

安全管理措置を整備できる

社労士は安全管理措置の実務設計や従業員教育のプログラム作成、運用マニュアルの整備を支援します。
具体的にはアクセス権限ルール、本人確認手順、保存・廃棄ルール、事故発生時の対応手順などを一緒に作成し、監査対応ができる形で整備してくれます。

労務手続きを効率化できる

社労士に業務委託することで社会保険や雇用保険の手続きを代行してもらい、freeeと連携した運用により社内の事務負担を削減できます。
特に中小企業では専門知識を持つ外部人材を活用することでミスを防ぎ、コア業務に集中できるようになります。

社会保険労務士法人あいパートナーズができること

freee人事労務の導入支援

社会保険労務士法人あいパートナーズはfreee人事労務の初期設定やデータ移行、ロール定義など導入支援を行います。
企業の業務フローに合わせて最適な設定を提案し、従業員への運用教育やマニュアル作成も支援するため、導入初期の不安を解消できます。

マイナンバー管理体制の構築支援

同法人はマイナンバー管理に関するリスクアセスメントを実施し、利用目的の整理、安全管理措置の設計、権限管理ルールの策定、廃棄フローの構築などを支援します。
導入後も定期的な運用レビューと改善提案を行い、持続可能な管理体制を一緒に作り上げます。

社会保険・労務手続きの運用サポート

また年末調整や各種保険手続きの代行、電子申請の代行やトラブル発生時の対応支援など、実務面でのサポートも提供します。
freee人事労務との連携経験を活かして効率的なワークフローを構築し、企業の負担を軽減するサービスを提供可能です。

まとめ|freee人事労務でマイナンバーを安全に管理しよう

適切な管理体制を整え、法令遵守と業務効率化を実現しよう

freee人事労務はマイナンバー管理をクラウドで効率化し、電子申請や年末調整との連携により業務削減を図ることができます。
ただし法令に基づく利用目的の明確化、厳格な本人確認、アクセス権限の最小化、保存・廃棄ルールの整備などの社内運用を併せて整備することが不可欠です。
必要に応じて社労士など専門家の支援を活用し、安全かつ効率的な管理体制を構築してください。

この記事を書いた人

岩本浩一社会保険労務士・採用定着士
岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員

採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。

特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。

地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。