勤続年数はどこからどこまで?正しい数え方と実務の注意点

この記事は、勤続年数について知りたい方々に向けて、正しい数え方や実務上の注意点を詳しく解説します。 勤続年数は、退職金や有給休暇、表彰制度などに影響を与える重要な指標です。 これを理解することで、職場でのキャリア形成や労働条件の把握に役立てることができます。

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勤続年数とは

勤続年数とは、従業員が特定の会社に在籍している期間を示す指標です。 一般的には、入社日から退職日までの期間を通算して計算されます。 勤続年数は、企業における従業員の安定性や忠誠心を示すものであり、企業の人事制度や評価基準において重要な役割を果たします。

従業員が会社に在籍している期間を示す基準

勤続年数は、従業員がどれだけ長く同じ会社で働いているかを示す基準です。 これにより、企業は従業員の経験やスキルを評価し、適切な待遇を決定します。 勤続年数が長いほど、企業に対する理解や貢献度が高いと見なされることが一般的です。

退職金・有給・表彰・人事制度に影響する重要な指標

勤続年数は、退職金の支給額や有給休暇の付与日数、さらには永年勤続表彰などに直接影響します。 企業によっては、勤続年数に応じて昇給や昇格の基準が設けられていることもあります。 したがって、勤続年数を正確に把握することは、従業員にとって非常に重要です。

勤続年数の基本的な数え方

勤続年数の基本的な数え方は、入社日から退職日までの期間を通算して計算することです。 これにより、従業員がどれだけの期間、同じ会社で働いているかを正確に把握できます。 特に、企業の人事部門では、この計算が非常に重要です。

入社日(採用日)から退職日までを通算して計算する

勤続年数は、入社日から退職日までの期間を通算して計算します。 例えば、2020年4月1日に入社し、2023年3月31日に退職した場合、勤続年数は3年となります。 この計算方法は、企業の人事制度においても一般的に採用されています。

途中で異動や職種変更があっても勤続年数は継続する

従業員が途中で異動や職種変更を行った場合でも、勤続年数は継続してカウントされます。 これは、企業が従業員の経験やスキルを評価する際に重要な要素となります。 異動や職種変更があっても、同じ会社での在籍期間は変わらないため、勤続年数はそのまま維持されます。

1年未満の端数の扱い

勤続年数が1年未満の場合の扱いについては、一般的に月単位で計算されます。 例えば、入社から退職までの期間が11ヶ月であれば、勤続年数は1年未満として扱われます。 このような端数の扱いは、企業の就業規則によって異なる場合があります。

月単位で計算することが一般的

勤続年数が1年未満の場合、月単位で計算することが一般的です。 例えば、入社日から退職日までの期間が6ヶ月であれば、勤続年数は「0年6ヶ月」と表記されます。 このように、月単位での計算は、特に退職金や有給休暇の付与において重要です。

退職金制度によっては「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」が異なる

退職金制度によっては、勤続年数の端数の扱いが異なることがあります。 例えば、切り捨て、切り上げ、四捨五入のいずれかの方法が採用されることがあります。 これにより、実際に支給される退職金の額が変わるため、事前に確認しておくことが重要です。

試用期間は勤続年数に含まれる

試用期間は、雇用契約の一部として扱われるため、勤続年数に当然加算されます。 多くの企業では、試用期間中も正式な雇用契約が結ばれているため、勤続年数に含まれることが一般的です。

試用期間も雇用契約の一部であり勤続年数に当然加算

試用期間中も、従業員は企業に在籍しているため、その期間も勤続年数に加算されます。 例えば、試用期間が6ヶ月であれば、正式に入社した後の勤続年数にその6ヶ月が加算されます。 これにより、従業員は早期に退職金や有給休暇の権利を得ることができます。

「試用期間は除外」とするのは労働法上認められない

試用期間を勤続年数から除外することは、労働法上認められていません。 企業は、試用期間中も従業員に対して適切な待遇を提供する義務があります。 したがって、試用期間を除外することは、法的に問題があるため注意が必要です。

契約社員・パートの勤続年数

契約社員やパートタイムの従業員も、契約更新を続けていれば通算して勤続年数となります。 これにより、正社員と同様に勤続年数が評価され、退職金や有給休暇の付与に影響を与えることがあります。

契約更新を続けていれば通算して勤続年数となる

契約社員やパートタイムの従業員が契約を更新し続けている場合、その期間は通算して勤続年数としてカウントされます。 例えば、1年契約を3回更新した場合、勤続年数は3年となります。 このように、雇用形態に関わらず、勤続年数は重要な指標となります。

雇用形態の変更(パート→正社員)でも勤続年数はリセットされない

雇用形態が変更された場合でも、勤続年数はリセットされません。 例えば、パートから正社員に転換した場合、これまでの勤続年数はそのまま引き継がれます。 これにより、従業員は新たな雇用形態でも、過去の経験を活かすことができます。

中断期間がある場合

退職し再入社した場合は、原則として勤続年数は別カウントとなります。 これは、企業が従業員の在籍状況を正確に把握するためのルールです。 ただし、企業の規程によっては、通算を認めている場合もあります。

退職し再入社した場合は原則として別カウント

退職後に再入社した場合、勤続年数は原則として別カウントとなります。 つまり、再入社した日から新たに勤続年数がスタートします。 これにより、企業は従業員の在籍状況を明確に把握することができます。

ただし会社が規程で「通算」を認めている場合は例外

企業によっては、退職後の再入社でも勤続年数を通算することを認めている場合があります。 この場合、再入社した日からも以前の勤続年数が加算されるため、従業員にとっては有利な条件となります。 企業の就業規則を確認することが重要です。

産休・育休・休職期間の扱い

産休や育休は、勤続年数に100%算入されることが一般的です。 これにより、従業員は育児や出産に専念しながらも、勤続年数を維持することができます。 一方、病気休職については、就業規則に応じて扱いが異なることがあります。

産休・育休は100%勤続年数に算入される

産休や育休は、法律に基づき勤続年数に100%算入されます。 これにより、育児や出産を理由にしても、従業員の勤続年数は影響を受けません。 企業は、従業員が安心して育児に専念できる環境を提供することが求められます。

病気休職は、就業規則に応じて「勤続に含む・含まない」が分かれる

病気休職については、企業の就業規則に応じて勤続年数に含まれるかどうかが異なります。 ある企業では病気休職期間も勤続年数に含まれる一方、別の企業では含まれない場合もあります。 従業員は、自身の企業の就業規則を確認することが重要です。

出向・転籍の扱い

出向中は元の会社の勤続年数に積算されますが、転籍の場合は会社が変わるため勤続年数はリセットされるのが基本です。 これにより、出向と転籍では勤続年数の扱いが異なるため、注意が必要です。

出向中は元会社の勤続年数に積算される

出向中は、元の会社の勤続年数に積算されます。 つまり、出向先での勤務期間も元の会社の勤続年数としてカウントされるため、従業員にとっては有利な条件となります。 出向中も、元の会社の評価が維持されることが重要ですということです。

転籍の場合は会社が変わるため勤続年数はリセットが基本

転籍の場合は、会社が変わるため勤続年数はリセットされるのが基本です。 新しい会社での勤続年数は、再スタートとなります。 これにより、転籍後の評価や待遇が新たに決定されることになります。

勤続年数が影響する制度

勤続年数は、退職金や有給休暇の付与日数、永年勤続表彰、昇給、昇格基準など、さまざまな制度に影響を与えます。 これにより、従業員は長く働くことが評価され、適切な待遇を受けることができます。

退職金(支給額が大きく変わる)

勤続年数が長いほど、退職金の支給額が大きく変わることがあります。 多くの企業では、勤続年数に応じて退職金の額が増加するため、長く働くことが経済的なメリットにつながります。 退職金制度を理解することは、従業員にとって重要です。

有給休暇の付与日数

勤続年数に応じて、有給休暇の付与日数が増加することがあります。 一般的には、勤続年数が長いほど有給休暇の取得日数が増えるため、従業員はより多くの休暇を取得できるようになります。 これにより、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。

永年勤続表彰・昇給・昇格基準

勤続年数は、永年勤続表彰や昇給、昇格の基準にも影響を与えます。 多くの企業では、一定の勤続年数を達成した従業員に対して表彰や昇給が行われるため、長く働くことが評価される仕組みが整っています。 これにより、従業員のモチベーションが向上します。

勤続年数の誤りで起こるトラブル

勤続年数に関する誤りは、退職金の過少・過大支払い、有給付与日数の算定ミス、再雇用者の勤続取り扱いの不統一など、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。 これらのトラブルを未然に防ぐためには、正確な勤続年数の把握が不可欠です。

退職金の過少・過大支払い

勤続年数の誤りにより、退職金が過少または過大に支払われることがあります。 これにより、従業員が不利益を被る可能性があるため、企業は勤続年数を正確に把握し、適切な支給を行う必要があります。 退職金制度の透明性が求められます。

有給付与日数の算定ミス

勤続年数の誤りは、有給付与日数の算定ミスにもつながります。 これにより、従業員が本来取得できるはずの有給休暇を得られない場合があります。 企業は、勤続年数を正確に管理し、適切な有給休暇の付与を行うことが求められます。

再雇用者の勤続取り扱いの不統一

再雇用者の勤続年数の取り扱いが不統一であると、従業員間で不満が生じることがあります。 企業は、再雇用者の勤続年数を明確に定義し、全従業員に対して公平な取り扱いを行うことが重要です。 これにより、職場の信頼関係が築かれます。

結論:勤続年数は採用日から通算が原則

勤続年数は、原則として採用日から通算して計算されるべきです。 例外がある場合は、就業規則で明確に定義し、誤解やトラブルを防ぐことが必須です。 企業は、従業員に対して透明性のある情報提供を行い、信頼関係を築くことが求められます。

例外は就業規則で明確化し誤解とトラブルを防ぐことが必須

勤続年数に関する例外は、就業規則で明確に定義することが重要です。 これにより、従業員は自分の勤続年数を正確に理解し、トラブルを未然に防ぐことができます。 企業は、従業員とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことが求められます。

この記事を書いた人

岩本浩一社会保険労務士・採用定着士
岩本 浩一(いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表社員

採用と定着に特化した人事労務のスペシャリスト。愛媛県社会保険労務士会所属(登録番号:3806011)。愛媛県松山市を拠点に、地元企業のみならず全国の企業の組織成長を支援している。「人手不足を解消し、持続可能な組織をつくる」ことをミッションに掲げ、理論と現場のリアリティを融合させたコンサルティングを展開。

特に「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用した退職金制度の構築に定評がある。従業員の将来設計を支える福利厚生の整備と、経営側のコスト効率化を両立させる専門的なスキームにより、採用力の強化と離職率の低下を同時に実現。数多くの中小企業における組織課題を解決へ導いてきた。

地域経済への貢献にも注力しており、地元メディア『愛媛経済レポート』にて採用定着をテーマとした連載を長期にわたり担当。また、AI技術を活用した情報発信のパイオニアとしても活動しており、YouTubeチャンネル『あいパートナーズ AI労働解説』やPodcast『博識な猫タマとクロの資料解説』を通じて、労働法や人事トレンドの最新情報を、経営者や人事担当者に向けて分かりやすく解説している。