育児休業給付金の計算方法と申請手続きをまとめた制度運用ポイント

この記事は、これから育児休業を取得しようと考えている会社員やパート・有期契約社員、その人事担当者に向けて書かれています。
育児休業給付金の仕組みや計算方法、申請手続き、受給要件、企業側の対応ポイントまで、最新の制度運用をわかりやすくまとめています。
「育児休業 給付金」で調べた方が、疑問や不安を解消できるよう、具体的な流れや注意点も詳しく解説します。

育児休業給付金とは

雇用保険から支給される育児中の生活補償制度

育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した際に、休業中の生活を支えるために支給される公的な給付金です。
この制度は、出産や育児による収入減少を補い、安心して子育てに専念できるよう設計されています。
会社員だけでなく、一定の条件を満たすパートや有期契約社員も対象となるため、幅広い働き方の方が利用できます。
給付金は、雇用保険の財源から支給され、国が運用する制度です。

  • 雇用保険加入者が対象
  • 育児休業中の生活を支援
  • パート・有期契約社員も条件次第で対象

育児休業中の所得減少を一定割合で補う仕組み

育児休業給付金は、休業前の賃金を基準に一定割合(原則67%、6か月経過後は50%)が支給される仕組みです。
これにより、育児休業中の所得減少を大きく緩和し、経済的な不安を軽減します。
また、夫婦で交代して育児休業を取得する場合も、それぞれが要件を満たせば給付金を受け取ることができます。
この制度は、子育てと仕事の両立を支援するための重要な社会保障の一つです。

  • 休業前賃金の67%(6か月間)・50%(7か月目以降)
  • 夫婦で交代取得も可能
  • 所得減少を補う目的

会社ではなくハローワーク(雇用保険)が支給主体となる

育児休業給付金の支給主体は、勤務先の会社ではなく、ハローワーク(公共職業安定所)です。
実際の申請手続きは、会社が従業員に代わって行うのが一般的ですが、給付金の支給決定や振込はハローワークが担当します。
そのため、会社独自の手当や給与とは別に、国の制度として運用されている点が特徴です。
申請や問い合わせは、原則としてハローワークを通じて行います。

  • 支給主体はハローワーク
  • 会社は申請の窓口役
  • 給付金は国の制度として運用
支給主体 申請窓口
ハローワーク(雇用保険) 会社経由で申請

育児休業給付金の受給要件

雇用保険の被保険者であること

育児休業給付金を受給するためには、まず雇用保険の被保険者であることが大前提です。
正社員だけでなく、一定の条件を満たすパートや有期契約社員も対象となります。
雇用保険に加入していない場合や、個人事業主・フリーランスは対象外となるため注意が必要です。
自分が雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細や会社の人事担当者に確認しましょう。

  • 雇用保険加入が必須
  • パート・有期契約社員も条件次第で対象
  • 個人事業主・フリーランスは対象外

育児休業開始前2年間に11日以上働いた月が12か月以上あること

受給要件の一つに、育児休業開始前2年間に「11日以上働いた月」が12か月以上あることが挙げられます。
この条件は、雇用保険の被保険者期間を確認するためのもので、産休や病気などで働けなかった期間がある場合は特例もあります。
パートや有期契約社員の場合も、勤務日数や契約内容によっては要件を満たすことができます。
詳細は会社の人事担当やハローワークに確認しましょう。

  • 2年間で12か月以上、各月11日以上勤務
  • 産休・病気等の特例あり
  • パート・有期契約社員も対象になりうる

休業中に就労している日数・時間が一定基準以内であること

育児休業給付金の受給中に、一定以上の就労(働く日数や時間)があると、給付金が減額または支給停止となる場合があります。
具体的には、1か月に10日(または80時間)を超えて働くと、原則としてその月の給付金は支給されません。
ただし、短時間の就労や一時的な勤務は認められる場合もあるため、事前に会社やハローワークに相談することが大切です。

就労日数・時間 給付金支給
10日以内 / 80時間以内 支給対象
11日以上 / 81時間以上 不支給

給付金の支給期間

原則として子が1歳になる前日まで支給

育児休業給付金の支給期間は、原則として子どもが1歳になる前日までとなっています。
この期間内であれば、育児休業を取得している間、継続して給付金を受け取ることができます。
ただし、育児休業の開始日や復職日によっては、支給期間が短くなる場合もあるため、事前にスケジュールを確認しておくことが重要です。
また、出産日や育児休業の取得タイミングによっても支給期間が変動するため、注意が必要です。

  • 原則は子が1歳になる前日まで
  • 開始日・復職日で期間が変動
  • 事前のスケジュール確認が大切

保育所に入れない場合などは最大2歳まで延長可能

保育所に入れないなどの特別な事情がある場合、育児休業給付金の支給期間は最長で子が2歳になるまで延長することが可能です。
延長には、保育所への入所申込書や不承諾通知などの証明書類が必要となります。
※2025年4月より、育休延長の審査が厳格化されました。不承諾通知だけでなく、速やかな復職の意思があるか等、申込み状況が詳しく確認されます。
また、1歳6か月までの延長も認められており、状況に応じて段階的な延長申請が可能です。
延長を希望する場合は、早めに会社やハローワークに相談し、必要書類を準備しましょう。

  • 保育所に入れない場合は延長可
  • 1歳6か月・2歳まで段階的に延長
  • 証明書類の提出が必要

パパ育休・産後パパ育休との組み合わせ時の考え方

2022年10月から新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」や「パパ育休」との組み合わせも可能です。
これらの制度を活用することで、夫婦で交代して育児休業を取得し、それぞれが給付金を受け取ることができます。
ただし、各制度の取得期間や申請手続きが異なるため、会社やハローワークとよく相談し、計画的に取得することが大切です。
夫婦での取得パターンによって、給付金の支給期間や金額が変わる場合もあります。

育児休業給付金の支給額

休業開始時賃金の67%(開始から6か月)

育児休業給付金の支給額は、休業開始前6か月間の平均賃金日額を基準に計算されます。
休業開始から最初の6か月間は、原則としてこの賃金の67%が支給されます。
この割合は、手取りでみると実質8割程度になることも多く、家計の大きな支えとなります。
※2025年4月より、夫婦共に14日以上の育休を取得する等の要件を満たせば、最初の28日間に限り給付率が80%(手取り実質10割)に引き上げられます。
支給額は2か月ごとにまとめて振り込まれるため、計画的な家計管理が重要です。

7か月目以降は原則50%に変更

育児休業開始から7か月目以降は、支給率が原則50%に下がります。
このため、長期の育児休業を予定している場合は、7か月目以降の家計収支も事前にシミュレーションしておくことが大切です。
なお、支給率の変更は自動的に適用されるため、追加の手続きは不要です。
支給額の計算方法や詳細は、ハローワークや会社の人事担当者に確認しましょう。

支給期間 原則の支給率 上限額(月額目安) 下限額(月額目安)
開始~6か月 67%(※特例時80%) 約32万円 約5万円
7か月目以降 50% 約24万円 約5万円

賃金支給との関係

会社から一定額以上の賃金があると給付金が減額・不支給になる

育児休業中に会社から賃金や手当が支給される場合、その金額が休業開始前の賃金の80%以上となると、育児休業給付金は支給されません。
また、賃金が80%未満でも、支給額に応じて給付金が減額される仕組みです。
会社独自の育児手当や特別支給がある場合は、給付金とのバランスを考慮して設計する必要があります。

賞与支給時の育児休業期間との関係

育児休業期間中に賞与(ボーナス)が支給される場合、その金額は原則として育児休業給付金の支給額には影響しません。
ただし、賞与が「賃金」として扱われる場合や、特別な手当とみなされる場合は例外もあるため、会社の規定やハローワークに確認が必要です。

申請手続きの流れ

会社がハローワークに行う申請が基本

育児休業給付金の申請は、原則として勤務先の会社がハローワークに対して行います。
従業員本人が直接申請することも可能ですが、ほとんどの場合は会社の人事担当者が窓口となり、必要書類をまとめて提出します。
申請のタイミングや必要書類の準備については、会社の指示に従いましょう。
会社と連携を取りながら、スムーズな申請を心がけることが大切です。

2か月ごとに支給申請を行う仕組み

育児休業給付金は、2か月ごとに支給申請を行う仕組みになっています。
最初の申請時に必要書類を提出し、その後は2か月ごとに「育児休業給付金支給申請書」などを提出して、継続的に給付を受けます。
申請が遅れると給付金の支給も遅れるため、会社と連携して期限を守ることが重要です。

必要書類の準備

主な必要書類は以下の通りです。会社がこれらを取りまとめてハローワークに提出しますが、本人が記入する書類もあるため、事前に確認しておきましょう。

  • 育児休業申出書
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 雇用保険被保険者証

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